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トヨタ-イプサムの廃車買取時におさえておきたいポイント

公開日: 2021.02.12
最終更新日: 2022.07.08

イプサム

 

 

 

可愛らしいキャラクターがCMに登場し、家族を乗せて走る車のイメージを植え付けたイプサムは、ミニバンを日本の新しい車として印象付けた一台です。

 

いわゆるバブル後の「ミニバンブーム」の立役者となった車で、特に初代のイメージを強く持っているドライバーが多いのではないでしょうか。

 

しかし、ミニバン市場が過熱する中で、次第にイプサムは性能を時代に合わせることが難しくなり、2代で生産・販売終了となりました。この記事では、日本のミニバンブームを引っ張った一台・イプサムの、概要・歴史・評判・ライバル車の情報についてお伝えします。

 

 

 

イプサムは廃車でも高価買取が狙える!

イプサムは国内市場だけでなく、海外でも人気があることをご存じでしょうか。もともとハイエースやカローラなどトヨタ車の人気が高い傾向があるなかで、ミドルサイズミニバンはすぐに海外マーケットでも受け入れられました。

 

海外市場でも使い勝手のよいSUVミニバンは大変ニーズが高いです。なかでも悪路での安定した走行性や、居住性を兼ねそろえたイプサムは、実用性のうえでも多くのユーザーに支持を得ます。初代、二代目モデルともに、需要が高いのが特徴です。

 

 

 

イプサムは事故車や不動車でもOK

人気が高いのはわかったけど、動かない車ではダメでしょ?

そう思っている方はいませんか。たしかに動く車や状態の良い車両のほうが、高価査定を狙いやすいのも事実です。さらに豊富なオプション(寒冷地仕様や、ムーンルーフなど)が装備されていれば言うことはありません。

 

そういったコンディションのよい車に関しては、まだまだ日本国内の中古車市場でも需要があります。走行距離の多い車両であっても、国内用の査定額が期待できるでしょう。

 

一方で長らく放置していたためにエンジンがかからない車や、事故でフロント部分が大破してしまった車など、商品価値が著しく落ちている場合でも、廃車業者は金額をつけて買い取ってくれることが多いです。理由はかんたんで、中古部品の需要が高いからです。

 

 

 

解体処理後の中古部品を再販する

廃車買取業者は基本的にどんな状態の車両でも買い取っていきます。引き取った車は解体処理をしたのちに、まだ使用できる部品とそうでないものに仕分けされます。(壊れてしまったパーツのほかに、鉄やアルミなど資源として再利用できるものがあります)

 

イプサムの品質の良い中古部品は、日本国内だけではなく海外市場にも売りに出されます。エンジン・ミッション・サスペンションといった機構部。ボンネット・ドア・バンパー・フェンダーといった外装部。ほかにも内装部品からスイッチ類、ライト類とどんな部品にも需要があります。

 

生きている車を海外に運び、乗り続けているうちにやがてぶつけたり、調子が悪くなったりという事態は必ず起こります。すると代替えの部品が必要になるのですが、自国の車ではないため、品数はけっして多いわけではありません。日本国内で廃車業者が解体処理のうえばらした中古パーツの一つ一つが、求められて海外に渡っていきます。

 

 

 

イプサムを高く売るコツ

これはイプサムに限らずどの車種にも言えることですが、今からお伝えする方法以外に高く売るコツはないと言っても過言ではありません。

 

それは査定をする際は1社で終わらず、複数(できれば3社以上)の業者にきくことです。まず1社の査定では金額のポテンシャルがわかりません。2万円と提示されたところで、それが高いのか安いのか、判断することができませんよね。

 

この高いのか安いのか判断できない、という点が足元を見られる金額提示につながるのです。正しい情報を持っていれば、提示額に対して適切なジャッジをくだすことができます。

 

とはいえ一般の方がクルマの相場観など持ち合わせているはずがないですよね。だからこそ複数の業者に聞くことによって、愛車の金額の裏付けをとっていくことへとつながります。

 

幸いなことに廃車の査定では実車を見ることなく査定ができます。電話やお問い合わせフォームで簡単な内容(車種や年式、走行距離など)を伝えるだけで、査定額を出してくれるのが特徴です。もしこれが高年式の車でしたらここまでスムーズにはいきません。どうしても現車を見る必要があるので、金額を出すためだけのアポイントをとる煩わしさが出てしまうのです。

 

廃車査定のこの手軽な特徴をいかして、複数の業者に値段の確認をとり、そのうえで最終的な処分先を決めることを強くおすすめします。はじめの1件に連絡すると気づくことなのですが、”廃車の査定ってこんなに簡単なのか!”と膝を打つこと間違いなしです。

 

また廃車業者が抱えているオーダー状況によっても査定額は変化します。在庫をかかえた業者は、すでにお腹いっぱいですから必然的に低査定になりますし、その逆にたくさんの入庫を待ち望んでいる業者もいます。これはタイミングとしか言えませんが、1社だけにあたるとなると、なかなか良いタイミングにあうことは難しいでしょう。

 

いかがでしょうか?『イプサムは海外市場も視野に廃車査定が期待できるので、なるべく複数の業者に問い合わせるのがベスト』ということがおわかり頂けたと思います。

 

さて、それでは次章からイプサムの知識(概要・歴史・評判・ライバル車など)について紹介していきます。興味がある方はぜひ目を通してみてください!

 

 

 

 

ミニバンの初期モデルとして人気を集める

イプサムは、日本におけるミニバンの初期モデルとして、家族向けというイメージを前面に出したCMで人気を集めた車です。オリジナルキャラクターの「イプー」は、ある意味ではゆるキャラの走りであり、絵本にもなりました。

 

ガソリンエンジンとディーゼルターボエンジンのラインナップ

イプサムのベースはコロナプレミオで、エンジンは2,000ccガソリンエンジン・2,200ccディーゼルターボエンジンの2種類でした。ミニバンでディーゼルエンジンのものは、年を追うごとに少なくなっていったため、中古市場ではまずお目にかかれない代物です。

 

2020年現在、海外の車ではディーゼルを見かけますが、日本車ではデリカD:5が唯一のディーゼルミニバンとなっています。

 

今後、日本のミニバン市場がディーゼル車のテコ入れを図るかどうかは分かりませんが、燃費性能が向上したクリーンディーゼルミニバンが生まれれば、ミニバン人気が再燃する可能性は十分あります。

 

 

 

2代目からは排気量が増え2,400ccに

2代目のサイズは初代よりも大きくなり、排気量は2,400ccとなりました。車格がオデッセイなどのライバル車と並び、ミニバン市場の人気をさらうべく開発されましたが、その存在感は大きくセールスは苦戦します。

 

過去には6人乗りのグレードもありましたが、7人乗りのニーズが高かったため廃止され、その後は生産終了まで7人乗りミニバンとして販売されていました。

 

 

 

長い人気を保ったものの、2010年に販売が終了

セールスの面で、トヨタを含む他のミニバンが着実にリピーターを確保しているのに対し、プリウスは2代目で巻き返しを図ることができませんでした。

 

複数のミニバンが乱立する状況で次第にイプサムの存在感は薄れ、プリウスなどのエコカーが人気を獲得する時代になると、イプサムは需要を失いました。

 

こうしてイプサムは、ミニバン人気の始まりと終わりを見つめ、静かに市場から撤退したのでした。

 

 

 

イプサムが生んだ新しいカーライフの価値観

イプサムの評価すべき点は、もちろん車自体の性能にも見られますが、新しいライフスタイルを形成した点がもっと評価されるべきだという意見もあります。以下に、イプサムが生まれた時代背景をもとに、イプサム以後の新しいカーライフについてご紹介します。

 

イプサムはファミリーカーのお手本

イプサムが発売されたのは1996年のこと。世の中ではポケットモンスターがヒットし、携帯電話・PHSのユーザーが増え始めた時期でもありました。

 

バブル後の失われた時代の中で、援助交際などが問題となる中、日本では家庭を大事にする流れ・仲間と楽しむ趣味を重視する流れが広まり、プライスレスの楽しみを追う風潮が生まれました。

 

ミニバンはアウトドアと相性が良く、アウトドアブームに乗って車を購入する若い世代・消費活動に一息ついた団塊世代に購入され、結婚後の生活を見据えて購入するファミリー層の存在もイプサムの人気を後押ししました。

 

 

 

長時間運転も街乗りも苦にならない仕上がり

初代イプサムは、丸みを帯びたエクステリアに、シンプルなインテリアという構成となっています。コラム式ATも印象的で、クルーズコントロールのオプションもあるという、ドライブを快適に楽しむ仕様でした。

 

意外と人気が高かったのが3列シートで、サードシートをたためば荷室も使いやすく、柔軟なシートアレンジができます。2列目シートをフルフラットにすれば、ゆったり座って時間を過ごすこともでき、登場当時は非常に優秀な室内空間を確保していました。

 

 

 

トヨタとしてはオデッセイの対抗馬に据えていたが……

この時期、トヨタはミニバンで勝つべき相手を見据えていました。ホンダ・オデッセイです。

 

オデッセイはホンダが誇る怪物モデルの一つで、長年にわたり人気を博しているミニバンです。トヨタの他車種ともライバルになっていて、2代目イプサムの開発者も「オデッセイの存在は大きかった」と話しています。

 

結論から言えば、トヨタはオデッセイに対抗すべく、数多くのミニバンを世に送り出し、さらにはエコカーという新ジャンルへの進出も果たします。その流れの中、完全に時代遅れとなったイプサムは、一部ファンに悔やまれつつ生産・販売終了となりました。

 

 

 

販売台数は振るわなかったが、意外とファンは多かった車

イプサムは、1997年にはオデッセイを抜いて92,822台の登録台数を記録し、オデッセイを超える売上を実現しています。しかし、その後の売上は伸び悩み、上位に食い込めない時代が長く続き、最終的にスペック不足から引退します。

 

ただし、これはあくまでも数字上のことで、実はイプサムオーナーの評価は高く、燃費以外の面ではドライバーにとって扱いやすい車だったことを示しています。

 

続いては、イプサムのドライバーたちが下した評価から、イプサムという車のメリット・デメリットについてご紹介します。

 

 

 

室内の広さと視界の良さ

イプサムは、ミニバン初期のモデルにもかかわらず、使い勝手が良く広い室内を実現しています。また、視界の広さも加点ポイントで、後部座席の視界が良好という意見も見られます。

 

年数を超えても足回りがへたらないという評価も見られ、そのあたりは耐久性に定評のあるトヨタならではの評価でしょう。中古で買うなら、ファミリー層にとっては「お買い得」な車と言えるかもしれません。

 

 

 

個性が薄い分だけ飽きもこない

2代目こそ、若干高級志向を目指したものの、もともとイプサムは個性が薄い分だけ飽きのこないデザインでした。車としてシンプルな造形は乗る人を選ばないため、ミニバンの中でも愛されやすい要素を持っていたのかもしれません。

 

結果的に、オデッセイのような際立つ個性が生き残りましたが、イプサムのような車のニーズも一定数存在しており、性能重視のドライバーからは高い評価が集まっていました。

 

良い意味で無個性なデザインのため、意外な使い道として社用車に使う選択肢もあったようです。

 

 

 

超えられなかった燃費の壁

イプサムを悩ませたのは、多くのミニバンが性能を向上させた「燃費性能」です。

 

初代のカタログ上は10.8~13.2km/lとなっていますが、これは販売当時はかなり高性能な部類だったため、2代目で排気量を増やしたことが仇となった可能性が考えられます。

 

トヨタとしても、エコカー路線を視野に入れ始めたことで、その方針から外れる車を整理したかった思惑があったのか、高排気量で残すミニバンには後々ハイブリッドモデルを投入しています。

 

愛車として乗り続けているドライバーも、口を揃えるように燃費を問題視するため、イプサムは排気量を増やしてライバルと戦うべきではなかったのかもしれません。

 

 

 

イプサムのライバル車は、もちろんオデッセイと……?

イプサムが、ホンダのオデッセイをライバル視していた車であったことは間違いありません。しかし、より現実的な意味で市場のライバルとなったのは、おそらく以下に挙げる車だったと推察されます。

 

日産・プレサージュ

日産がオデッセイの対抗車種として設計した車で、その意味ではイプサムと間接的にライバル関係となった車です。地上高が高かったことが関係し、ミニバンとしては機能性にネックがあり、ターゲットが限定されてしまいました。

 

しかし、高級車からの乗り換えにも堪えうるデザイン性は一定の支持を集め、イプサムと比較した際の評価は高めです。価格帯はイプサムより高めですが、ハイパワーのエンジンを搭載していたことから、比較的高年齢の世帯にはウケたミニバンです。

 

 

 

トヨタ・ウィッシュ

同じトヨタ車ですが、スポーティーな取り回しが若年世代に人気で、イプサムに乗り続けたドライバーが乗り換えを検討する際に選んだ車でもあります。こちらもホンダ車に触発されて開発に至った経緯は同じですが、ミニバンに必要なポイントを取捨選択した意味では潔い車でした。

 

3列目シートを緊急用と割り切り、2列ベースでのカーライフを想定させ、走りの質も担保するという、複数のミニバンを販売しているトヨタだからこそできるスタイルがファンを集めました。若い時代にイプサムを経験した人には、受け入れやすいデザインかもしれません。

 

 

 

おわりに

イプサムは、日本の新しい時代・ブームを築いたミニバンの一つです。家族やみんなで仲良く楽しむ時間を大切にする、家族回帰の象徴とも言えるかもしれません。

 

燃費というネックは解消できなかったものの、販売当初の存在感は十分で、長年乗り続けるファンも少なくありません。中古なら比較的安価で手に入りますから、ミニバンに多くを望まず、元気に走ってくれればいいという人におすすめです。

 

 

タグ : トヨタ
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