アルファードを廃車処分しようか迷っていませんか?
長年連れ添ってきた愛車にも、いつしか別れはくるものです。走行距離が20万キロを超えてしまったり、ぶつけて外装をキズつけてしまったり、故障してしまったりと、さまざまな要因で手放すきっかけがうまれます。
アルファードは人気車種のため、たとえ廃車であっても依頼する廃車買取業者によって金額に差が生じやすいのが特徴です。一社ではなかなか判断がつかないかもしれませんが、何社かに問い合わせることで、あなたにぴったりの廃車買取業者が見つかるかもしれません。
目次
【アルファード=高級ミニバン】というイメージ
圧倒的な存在感を示すフロントマスクと、優雅なイメージのボディ。
アルファードが登場するまで、ミニバンに高級感を求める人はエルグランドなどの車を選ぶ傾向にありましたが、エルグランドのフルモデルチェンジに合わせて投入されたアルファードは、やがてエルグランドを抜き去る勢いを見せるようになります。
アルファードの高級感あるイメージは、メーカー側で周到に仕組まれたこともあり、登場してからすぐに受注台数が当初の目標の3倍を超える結果をたたき出しました。その効果が幸いしてか、ボディを一目見た時、多くの人が高級車という印象を受けると思います。
まずは、アルファードという高級車が、どのようにしてブランディングされていったのか、以下にご紹介していきます。
量産系ミニバンの最高位に位置する車の一つ
アルファードは、登場時からフラッグシップモデルとしての宿命を背負わされたモデルで、量産系ミニバンとしての最高位を目指して作られました。
販売初期の市場では「ミニバン」というジャンルでトップに立つことを想定していたものの、その目標とするところは高く、3代目モデルの開発者は「フルモデルチェンジによって「高級サルーンの位置を目指す」方向性を明らかにしています。
日本国内専用からスタートしたきめ細やかな仕上がり
現代の市場でこそ、アルファードは世界各国で販売されていますが、発表当初は国内専用車種という位置づけでした。
初期型のコンセプトは「ダイナミック&ホスピタリティ」で、威風堂々としたエクステリア・日本人好みの木目調パネルをあしらったインテリア・居住性を高めた室内空間という、モダンとは一線を画した重厚さを実現しました。
ミニバンの中で、走りにこだわる方向性を考えていた車は多く、トヨタではエスティマなどが挙げられます。
しかし、車としての性能よりも乗車する人の快適性を重視する流れで進化を続けた意味では、アルファードは今までのミニバンと違う方向への進化を見据えていたとも言えます。
アメ車もびっくりの超高級志向へ進化
幾度のマイナーチェンジ・特別仕様車のラインナップを経て、アルファードは高級サルーン化への道を突き進みます。
ジャガーなどの高級車を擁するイギリスでも、初代・2代目のアルファードはひそかに並行輸入されており、3代目からは本格的に海外進出を図ります。
台湾・香港・中国・マレーシアなどのアジア各国に加え、極寒のロシアや灼熱の中近東など、気温の変化が激しい場所でも好んで選ばれています。
速さや静かさといった車の基本的な性能・電気系統や細やかな気配りの感じられる配置・外の寒暖に関係なく社内を快適にキープするエアコンの機能などが評価されています。
3代目のグリルデザインは、人によっては圧迫感を感じさせるため、日本ではアメ車のようなルックスだと感じる人も少なくありません。
しかし、中身は極めて繊細かつホスピタリティに満ちているため、海外のユーザーからはマッチョなエクステリアとのギャップが心をつかむという声も聞かれます。
日本でセンスを磨かれたアルファードは、リンカーン・キャデラックにも劣らない品質を実現し、多くの高級志向のオーナーたちを満足させています。
アルファードは、グランビアの後継モデル
そもそも、アルファードはグランビアの後継モデルとして開発・販売されました。しかし、市場で十分な結果を出すには至らず、複数の兄弟車とともに生産終了となってしまいます。
世代交代したことにより、アルファードはミニバン市場の中で大きな存在感を示せるようになりましたが、その背景には何があったのでしょうか。以下に、主な動きを考察していきます。
エルグランドに及ばず生産終了
グランビアのデビューは1995年のことでしたが、1997年に日産がエルグランドを発表し、販売が伸び悩みました。エルグランドは、キャラバンのミニバンタイプとして販売されたにもかかわらず、すっきりしたインテリアや車内空間の広さによって、瞬く間に人気を集めたのです。
トヨタは、エルグランドに打ち勝つため、ハイエースの名を冠したモデルをいくつも市場に投入します。
5ナンバーモデルのハイエースレジアス・グランビアの兄弟車であるグランドハイエース・スポーティーな雰囲気を持たせたツーリングハイエースなど、グランビアと合わせて4車種を市場に投入するも、エルグランドを超えることはできませんでした。
やがて、これらの車種は2002年に生産終了となり、トヨタは挽回をアルファードに託すこととなります。
乗用車としての質を高めることに注力
先に挙げた4車種とエルグランドの違いは、個性の差にあったという意見が多く見られます。
グランビアなどは、あくまでもファミリーカーの延長線上としてまとめられていたのに対し、エルグランドはFRによる走行性能を追求し、エンジンもV型6気筒エンジン搭載とパワフルなものでした。エクステリアも強く主張しており、乗る人に満足感を与えてくれるデザインであったことは間違いないでしょう。
ここから、トヨタは過去4車種になかった要素を振り返りつつ、「ミニバンにとって必要なものは何か」を問い、方向性を見直します。その結果・FF化による車内空間の改善・乗員の快適性・静粛性・シートの質などにこだわり、市場の評価を得るに至りました。
エクステリア・インテリアの洗練が進化の証
車に求められる要素をいくつかに分けた時、トヨタは「ミニバンは走りにこだわる車ではない」と判断し、エクステリア・インテリアの面で強化を図ります。
顔つきに迫力を持たせ、2列目以降の快適性を磨き、ミニバンを「仲間意識」や「ファミリー」から「要人送迎」として活用するという、新しいスタンダードを築きました。
ミニバンに必要なものを追い求め、不要なものは副次的な要素としてとらえる。このような考え方の転換が、アルファードの成功につながったと言えるでしょう。
ドライバー・オーナーの満足度はどうなのか
アルファードは、初代・2代目・3代目それぞれで、オーナーやドライバー層が異なります。
初代の頃は、ファミリー層や仲間内でワイワイやるための車と認知されていましたが、代替えするにつれてドライバーよりオーナーの意向が反映される車になりました。それを踏まえた上で、ドライバーやオーナーの満足度につき、評判や口コミを紐解いていきましょう。
ミニバンとしての機能に特化したため、評価は割れる傾向に
アルファードの高級感は、確かに車としての評価を高めることに貢献していますが、実際にはミニバンとしての機能を重要視しています。そのため、十分以上に満足している層と、見た目や室内空間以外の面で酷評する層にレビューが割れる傾向にあります。
また、初代・2代目・3代目で評価に違いが生まれるのも特徴で、旧型から新型に乗り換えて満足するリピーターも見られます。日々進化を続けているという意味では、期待を裏切らない車の一つと言えるかもしれません。
燃費で厳しい評価も
アルファードの評価面でネックになるのは、ハイブリッドモデルも含めての燃費についてです。
そもそも、世代交代でターゲットがファミリー層から要人送迎に移り変わっているため、燃費をそこまで評価に含めるべきかどうかは疑問ですが、ハイブリッドでも60kmを超えると効かない・街乗りでリッター10km/h程度といった意見も見られ、家庭で使うにはランニングコストを覚悟しなければなりません。
人を選ぶ車であることは間違いない
ミニバンとしての高みを目指している以上、機能として捨てなければならないものがあるのは仕方がなく、アルファードは「人を選ぶ」タイプの車であることは間違いありません。高級感のある車に乗りたい人・アルファードが好きな人以外にとっては、敷居が高いと言えるでしょう。
ライバルも高級感あふれる顔が揃うが、評価する視点は違う
アルファードの開発は、そもそもグランビアなどのトヨタ車が、エルグランドに敗北したことから始まっています。そのため、ライバルとなる車もそれ相応のグレードとなりますが、比較対象となるのは「高級感」だけとは限らないようです。
日産・エルグランド
アルファードの搭乗前は、高級ミニバンのトップとして君臨していたエルグランドですが、いつしかアルファードに大きな差を付けられている状況です。
2018年度のアルファード販売台数が5万台を超えるのに対し、エルグランドは1万台にも到達していないため、ライバルと呼ぶには役不足との声もあります。
しかし、中古車市場ではアルファードよりも手が届きやすい車として認知されており、走りの質も高いため、今なお高級ミニバンのジャンルではライバル車としての位置づけとなっています。
セダンに近い取り回しが魅力のため、ハンドリングが機敏に感じられるのも、ドライバーにとっては加点ポイントとなるはずです。
ホンダ・オデッセイ
他のミニバンでもライバル関係にあるオデッセイは、特に燃費の面で比較されることが多い車です。ハイブリッドモデルの実燃費につき、高速道路で19.0km/h・街乗りで17.6km/hを記録したというデータもあり、アルファードの燃費に不安を感じる層はオデッセイを選ぶようです。
また、多人数乗車では3列目の快適性に定評があり、特に多くの人を乗せるドライバーにとってはメリットの大きい車です。高級感より実用性をとるなら、オデッセイという選択肢もあるでしょう。
アルファードは廃車でも高価買取が狙える
アルファードは国内市場だけでなく、海外でも人気があることをご存じでしょうか。もともとハイエースやカローラなどトヨタ車の人気が高い傾向があるなかで、高級志向のミニバンはすぐに海外マーケットでも受け入れられました。
海外市場でもセダンからミニバンへと需要は変化しています。悪路での安定した走行性や、多人数が乗れる居住性を兼ねそろえたアルファードは、実用性のうえでも拡く支持を得ます。初期の10型から現在の30型まで、どのモデルであっても満遍なく需要が高いのが特徴です。
アルファードは事故車や不動車でもOK
人気が高いのはわかったけど、動かない車ではダメでしょ?
そう思っている方はいませんか。たしかに動く車や状態の良い車両のほうが、高価査定を狙いやすいのも事実です。さらに豊富なオプション(パワースライドドアや電動シート、ツインムーンルーフなど)が装備されていれば言うことはありません。
そういったコンディションのよい車に関しては、まだまだ日本国内の中古車市場でも需要があります。走行距離の多い車両であっても、国内用の査定額が期待できるでしょう。
一方で長らく放置していたためにエンジンがかからない車や、事故でフロント部分が大破してしまった車など、商品価値が著しく落ちている場合でも、廃車業者は金額をつけて買い取ってくれることが多いです。理由はかんたんで、中古部品の需要が高いからです。
解体処理後の中古部品を再販する
廃車買取業者は基本的にどんな状態の車両でも買い取っていきます。引き取った車は解体処理をしたのちに、まだ使用できる部品とそうでないものに仕分けされます。(壊れてしまったパーツのほかに、鉄やアルミなど資源として再利用できるものがあります)
アルファードの品質の良い中古部品は、日本国内だけではなく海外市場にも売りに出されます。エンジン・ミッション・サスペンションといった機構部。ボンネット・スライドドア・バンパー・フェンダーといった外装部。ほかにも内装部品からスイッチ類、ライト類とどんな部品にも需要があります。
生きている車を海外に運び、乗り続けているうちにやがてぶつけたり、調子が悪くなったりという事態は必ず起こります。すると、代替えの部品が必要になるのですが、自国の車ではないため、品数はけっして多いわけではありません。日本国内で廃車業者が解体処理のうえばらした中古パーツの一つ一つが、価値をうみ求められて海外に渡っていきます。
アルファードを高く売るコツ
これはアルファードに限らずどの車種にも言えることですが、査定をする際は1社で終わらず、複数(できれば3社以上)の業者にきくことです。まず1社の査定では金額のポテンシャルがわかりません。2万円と提示されたところで、それが高いのか安いのか、判断することができませんよね。
幸いなことに廃車の査定では実車を見ることなく査定ができます。電話やお問い合わせフォームで簡単な内容(車種や年式、走行距離など)を伝えるだけで、査定額を出してくれるのが特徴です。もしこれが高年式の車でしたらここまでスムーズにはいきません。どうしても現車を見る必要があるので、金額を出すためだけのアポイントをとる煩わしさが出てしまうのです。
廃車査定のこの手軽な特徴をいかして、複数の業者に値段の確認をとり、そのうえで最終的な処分先を決めることを強くおすすめします。はじめの1件に連絡すると気づくことなのですが、”廃車の査定ってこんなに簡単なのか!”と膝を打つこと間違いなしです。
また廃車業者が抱えているオーダー状況によっても査定額は変化します。在庫をかかえた業者は、すでにお腹いっぱいですから必然的に低査定になりますし、その逆にたくさんの入庫を待ち望んでいる業者もいます。これはタイミングとしか言えませんが、1社だけにあたるとなると、なかなか良いタイミングにあうことは難しいでしょう。
おわりに
アルファードは、日本のミニバンの価値観を変えた一台と言えます。走りよりもミニバンのニーズを満たすことで、ミニバンユーザーの心をつかんだ後、高級感とおもてなしの心を磨き続けました。
その結果、世界に通じるラグジュアリーカーとして評価され、高級ミニバン市場で他の追随を許さないレベルにまで成長しました。
未だ課題こそ見られるものの、ブランドイメージを確立したことは評価されるべき要素であり、アルファードは今後もトヨタのフラッグシップモデルとして活躍することでしょう。
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