自分の車を廃車にしようと思った時、普段からディーラーとの付き合いがあるなら、知っている担当者に相談するのは自然なことかもしれません。
また、大手中古車買取店であれば、ディーラーで自分の車を下取りしてもらうより「高値で売れるかもしれない!」と思うのも、十分考えられる話です。
でも、ちょっと待ってください。
その判断は、実は大きく損をするかもしれません。
この記事では、ディーラーや中古車買取店で廃車手続きを依頼するデメリットについて、それぞれのケースで解説しています。
処分自体は楽に済ませられるかもしれませんが、それならもっと良い方法がありますから、まずは最後まで読んでいただければと思います。
目次
トヨタや日産などディーラーは廃車手続きにお金がかかる
日本では、自動車に関する業務で生計を立てている会社が多数存在しており、そのジャンルは様々です。その中で、各メーカーの新車を販売している会社(ディーラー)は、あくまでも新車を販売することが大きな利益の柱になっています。
ここで重要なことは、確かに車の販売・修理などに関してはプロが在籍しているものの、それ以外の分野にはさほど明るくない、という点です。ディーラーとしても、専門外の分野に関しては別の業者に頼むしかなく、その点が廃車を依頼する際にネックとなります。
手続きは代行してくれる
ディーラーの担当者は、概して顧客に対して親切・丁寧な対応をしてくれます。自社で車を買ってくれた人ならなおさらです。
また、自動車に関する知識も一般的な顧客と比べれば大変豊富で、メカニカルな部分での疑問にはサービスエンジニアが対応してくれます。
新車をディーラーで購入して以来、同じ担当者に車のケアをお願いしている人の中には、おそらく担当者を「神」のように考えている人もいます。
長年乗り続ける中で不具合が発生し、廃車にすることを検討する場合、そのような人は担当者に頼る可能性が高いでしょう。もちろん担当者も「それなら手続きを代行しましょう」と、快く引き受けてくれるはずです。
依頼すると料金が発生する
上記の流れの中には何ら違和感はなく、ディーラーに頼めば書類の作成や提出を代わりにやってくれるんだったら、任せてしまえばいいと思う人は多いでしょう。しかし、担当者の良心とは裏腹に、ディーラーに廃車を依頼してしまうと、持ち主は損をする可能性があります。
担当者は必要書類をまとめ、持ち主の代わりに廃車の手続きを陸運支局で行ってくれます。しかし、担当者も商売ですから、廃車の手続きにかかる費用(相場は1~2万円ほど)を持ち主から回収します。
例えば買取業者に依頼した場合、その車に価値があれば買い取ってもらえるわけですから、持ち主の損失はありません。迅速な対応を行ってくれる代わりに、ディーラーはきっちり料金を請求するのです。
自前で廃車を処分できない
ディーラー各社は、あくまでも車の販売を主とする会社です。そのため、廃車を処分するための施設や、廃パーツ・金属を売るルートを自前で持っていないところが多く、もう走らない車・商用価値のない車を自力で何とかすることが難しいのです。
ディーラーにとっては、廃車の処分を別の業者にお願いするところまでが仕事になり、廃車からも何ら利益を得ることができませんから、結局持ち主からお金をもらって処分する形になります。
このように、ディーラーに廃車を頼んでしまうと、最終的に割を食うのは持ち主ですから、よほどの事情がない限りは依頼しない方が賢明です。
ガリバーやビッグモーターのような中古車買取店なら高値で買い取ってくれる?
ディーラーを避けるのであれば、次に頼れるのは中古車買取店です。持ち主が廃車にすることを決めても、まだ市場価値のある車だと店側が判断すれば、手元にお金が入ってきます。
しかし、中古車買取店に車を売る場合は、あくまでも「中古車」として買取依頼をすることが大切です。
理由は、仮に「廃車」として買取をお願いした場合、持ち主の期待を裏切る結果につながる可能性があるからです。
まだ走る車・売れる車なら問題ない
自動車の価値を決める要素はいくつか存在し、仮に走行キロ数が10万キロを超えていても、丁寧に手入れされて状態の良い車なら、中古車市場でも高値で取引されます。
自分の車と同じ年式・似たような走行距離の車を、中古車情報サイトで探してみて、値段が付いているなら買い取ってもらえる可能性はあります。
実際に、中古車買取店に車を持って行って査定してもらい、自分が納得のいく値段がつくなら、そのまま売ってしまっても構いません。問題となるのは、値段がつかなかった場合・もしくは廃車にすることを前提に車を買い取ってもらおうとする場合です。
廃車引取は別途料金がかかるところも
中古車をメインに取り扱っている点で、中古車買取店はディーラーよりも融通が利きます。しかし、あくまでも中古車を安く買って高く売るのが商売なので、原則として「走れる車・使える車」を買い取るのが中古車買取店の使命です。
大手買取業者でも、中古車としての買取なら手数料は0円でも、廃車としての引取には1万円ほどの料金を請求するところがあります。結局のところ、廃車引取にかかる料金分だけ損をするので、こちらも廃車手続きはおすすめできません。
せっかく廃車にするなら「廃車の専門業者」に依頼すること
新車・中古車の売買に関わる業務が主体となっている会社は、車を「パーツ」や「金属」といった単位で把握する機会が少ないため、廃車の買取には明るくないケースが多いようです。
もちろん、車を走れるようにする修理に関しては技術を持っていますが、廃車を買い取って利益を出すというのは、数ある車屋の中でも特殊な部類に入ります。
よって、もはや自動車として値段がつかないのなら、廃車業者に買取を依頼するのが確実です。
間違いなく「0円以上」で買い取ってくれる
廃車業者に廃車を依頼する最大のメリットは、間違いなく持ち主が料金を負担しなくて済むことです。車の状態や車種によっては0円での回収となりますが、それでも持ち主側に料金を請求することはまずありません。
その上で、廃車業者は抹消登録を代行してくれますから、その代金が不要になるだけでも、ディーラーに頼むより得をします。中古車買取店で値段がつかなかった場合も同様で、そのまま廃車手続きの代行を依頼するより、返ってくるお金は多くなります。
廃車にすることで戻ってくるお金がある
廃車手続きを廃車業者に依頼して、査定の結果、仮に0円という結果が出たとしても、持ち主にはお金が入る可能性があります。完全に車を抹消する「永久抹消登録」をした場合、自動車税・自賠責保険・自動車重量税の還付・返金が受けられるからです。
廃車業者側では、費用と還付金を相殺した上で、持ち主に渡す金額を計算します。そのため、廃車手続きがきちんと行われていれば、見積もりと同じ金額が持ち主の手元に残るはずです。
一部の業者については、提示金額と実際に支払った金額とが一致しないケースも見られるようですが、そのような例は少数派です。事前に相見積もりを取ったり、評判を確認したりして、信頼できる業者を探す努力をしましょう。
廃車で稼げるノウハウを持っている
廃車業者には、廃車を購入した後、それを何らかの形で利益にできるノウハウを持っています。最もスムーズな方法は、廃車になるはずの車を工場で修理して、社用車・代車などの用途で使える車として販売する方法です。
残念ながら解体することになったとしても、車にはそのまま使えるパーツ・再利用できるパーツがたくさんあります。それを取り外して、パーツとして売れば利益になります。
日本車は海外でも丈夫な車として認識されているため、日本で値段がつかないとしても、海外でなら売れることも珍しくありません。廃車業者は、廃車を複数のルートで利益に結び付ける方法を知っているからこそ、廃車にお金を出すことができるのです。
おわりに
ディーラーも中古車買取店も、自動車を取り扱っているお店という意味では、廃車業者と大きく違いはありません。しかし、それぞれが担当する分野には違いがあり、廃車を買い取ることを得意とするのは廃車業者です。
特にディーラーは、全く本業ではないことに対応しなければならないので、その分手続きに時間がかかってしまうこともあります。何事も、得意分野に応じて業者を選ぶことが大切です。
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