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準中型免許って結局何なの?乗れる車種や重さの違い・制度改正について

公開日: 2021.08.20
最終更新日: 2022.07.08

車台11

 

日本で車が走るようになってから、長い間制度に変更がなかった「普通免許と大型免許の枠組み」が崩れたのは、2007年2月のことでした。

 

それまでは、普通免許で4tトラックなどの比較的大きな車が運転できていたのに、その年を境に「中型免許」という概念が生まれ、運輸業への就職を想定して普通免許の取得を考えていた人は、中型免許にチャレンジしなければならなくなりました。

 

さらに、2017年3月12日以降からは「準中型免許」という新しい種類が生まれ、細かい枠組みができただけでなく、普通免許で運転できる自動車の幅がさらに狭くなりました。

 

今回は、この極めて紛らわしい「準中型免許」について、乗れる車種や重さの違い・制度改正の意図に触れながらご紹介します。

 

準中型免許の概要について

そもそも、準中型免許というのは、どのような概念から生まれたものなのでしょうか。理解するためには、普通免許で運転できる範囲がどう変わっていったのか、その変遷をたどるのが近道です。

 

2007年までに普通免許を取得した人は、8t未満の車が運転できる

まず、2007年までの普通自動車は、端的に言うと「車内総重量8t未満」の車が運転できるという免許でした。

 

最大積載量や乗車定員などの違いから、普通と大型とで免許の種類は分かれており、車内総重量11t以上の車が運転できる免許を大型免許と呼んでいたのです。

 

 

 

2007年2月~2017年までに普通免許を取得した人は、5t未満の車が運転できる

最初にこの免許の枠組みが変わったのが2007年2月のことで、ここで「中型免許」という概念ができました。

 

中型免許は、車両総重量5t以上11t未満の車が運転できる免許として生まれ、それまでに取得した普通免許は「中型免許(8t限定)」として区切られ、免許を再取得する必要はない、というところで落ち着いています。

 

つまり、この年代に普通免許を取得している人は、車両総重量5t未満の車しか運転できないのです。

 

 

 

2017年3月12日以降は、普通免許で3.5t未満までしか運転できない

その後、2017年3月12日以降、今度は普通免許で運転できる車両総重量が「3.5t未満」という重量になりました。そして、商業的にニーズのある、総重量7.5t未満の自動車を運転できる免許につき「準中型免許」という形で種類を分けたのです。

 

乗車定員は普通免許と同じで10人以下・受験資格は18歳以上となっていますが、AT限定免許は取れず、深視力の測定が必要です。また、過去の普通免許で許容される条件に応じて、準中型免許(5t限定)・中型免許(8t限定)という種類は残りました。

 

二転三転するかのように、普通自動車で運転できる重量が限定されていき、それに伴い中型免許・準中型免許という新しい免許が生まれたものと考えると、理解しやすいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

準中型免許が細分化された理由

免許を取得する予定のない人から見ても、このような免許の区分変更は、非常にややこしく感じられるはずです。なぜここまで区分を細かく変更する必要があったのかというと、警察庁側の事情があったのです。

 

普通の自家用車だけが運転できるレベルで、重いトラックが運転できた

2007年までの普通免許では、車両総重量8t未満までの車が運転できました。しかし、その頃の時代を知っている人ならご存じだと思いますが、教習所でマニュアル・もしくはセミオートマのトラックを運転した経験はないはずです。

 

大抵は、ランサー・カローラなどのセダンを運転し、一般的な車のサイズ感を覚えながら、教習所で単位を取得していきます。

 

その経験とともに自家用車を運転し、誰もがドライバーとしての経験を積んでいくわけですが、トラックなどを運転する機会は、運輸業などに就職しない限り得られないでしょう。

 

その結果と言うべきなのか、普通・中型貨物で特に事故が多かったことが、警察庁の統計で分かりました。トラックを運転する基礎を学ばないまま、我流に近い状態で学んだドライバーが、事故を起こしていたものと推察されます。

 

 

 

 

 

中型免許を導入したら事故が減少した

このような事態を受け、警察庁は交通事故の削減を考え、中型免許を新しい種類として加えたと言われています。統計の結果だけを見れば、2006年時点で23,000件以上の事故が報告されていたのに対し、2009年には10,000件以上が減少しています。

 

この結果から警察庁は、おそらく「免許の種類を厳密に分ければ事故は減らせる」という答えを導き出したのではないでしょうか。

 

 

 

さらに免許は細分化されていくかもしれない

もちろん、免許を細分化すれば事故が減るというのは、中型免許・準中型免許という枠組みに関する話に限られることですから、全ての車種・重量に言える話ではありません。

 

事故を起こさない安全装置を高水準のものに切り替えるなど、他の視点からも事故防止の対応策は取れるはずです。

 

しかし、警察庁は良くも悪くも前例を作ったことから、今後、さらに免許が細分化される可能性は十分あります。ただ、現段階で取得した免許はそのまま活かされるため、当面は自分が乗りたい車の場合についてのみイメージしておけばよいのかもしれません。

 

 

 

 

 

免許の細分化に伴う問題とは

中型免許・準中型免許という免許の細分化は、確かに事故を防ぐのには役立ったかもしれません。しかし、今までの制度を変えてしまったわけですから、やはり少なからず問題が発生しています。

 

高卒者の就職への影響

中型免許ができてから、大きな問題に遭遇したのが、高卒者・高卒者を雇おうと考えていた企業です。

 

高卒者が就職を考える場合、業種によっては2tトラック以上の大きさの車を運転するケースがあり、中型免許ができたことによって、働き始めてからすぐにトラックを運転できなくなってしまったのです。

 

その理由は、普通免許で運転できる車両の重さが「車両総重量5t未満・最大積載量3t未満」と定められていたからで、積載量が多いトラックの場合、どうしても基準をオーバーしてしまいます。

 

それでは中型免許を取ろうと思っても、普通免許を取得して2年以上が経過しなければ運転できなかったため、高卒者の就職に影響をもたらしたと言われています。

 

そこで、2017年3月12日に準中型免許が生まれ、免許は18歳で取得でき、取得すれば「車両総重量7.5t未満・最大積載量4.5t未満」の車が運転できるようになったのです。この判断は、慢性的に人手が不足している運送業界に、人手を送り込むための施策との声もあります。

 

 

 

 

 

免許の分類や取得にかかる費用

準中型免許という種類が生まれたことで、免許の分類及び取得にかかる費用が、非常にややこしくなりました。

 

自動車に関わる第一種免許は、各種限定免許も含めると6種類になり、どの免許を取得しているかによって新しく取得するための費用が細かく変わってきます。

 

就職を目的とするなら、いきなり準中型免許を取得する方法が賢い判断でしょう。しかし、普通自動車で運転できる重量の幅が狭まっていることから、今後の免許制度の改正を想定して準中型免許を取得するという考え方もあります。

 

ドライバーそれぞれの思惑に応じて、どの免許を取得するかが変わってくるため、費用のことも考えると面倒に感じられるかもしれません。

 

 

 

将来的にドライバーがいなくなる可能性も

このような形で、仕組みがどんどん変わっていってしまうと、車離れがどんどん進んでしまうかもしれません。今まで主に重量で分類されてきた免許の種類が、やがて車の排気量で判断されるような時代がやって来て、軽自動車専用免許などが生まれる可能性も十分あります。

 

もちろん、教習所もカリキュラムは随時変更するでしょうが、細分化が進むことで制度がますます不便なものになれば、結果的に日本の自動車業界には悪影響を及ぼすはずです。警察庁が、免許の分類よりも、ドライバーの技術向上につながる施策をしてくれることを切に願うばかりです。

 

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おわりに

カーライフ19

 

以上、準中型免許について、普通免許の変遷とともにお伝えしてきました。最初は、事故を減らすための施策だった中型免許が不便を生み、そこから準中型免許が生まれたという背景が分かると、複雑な免許の種類が何となく理解できるのではないでしょうか。

 

どの免許を取得するかは、どんな車を運転したいのかによって変わってきます。将来を見据えるか、今運転したい車に乗れればいいのか、考えを整理してから教習を受けましょう。

 

 

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